時効


ニュースなどを見ていると、
「殺人事件の時効が迫っています」
とかいうのが、たまにあります。

この時効というのは、刑法上の時効を指します。

刑法の時効は、
「一定時間以上経つと、証拠の滅失により真実の追究が困難になる」
「犯人は長期にわたって精神的に追い詰められていて、
それが罰になっている」
「他の事件もないがしろに出来ない」
などなどの理由で、設定されています。

アメリカでは、殺人事件に時効はないです。
国民性の違いでしょうか。

ところで、民法でも時効というのはあります。
例を出しますと……

健史君が輝彦君の所有する土地を
勝手に駐車場として利用していたとします。

普通なら立ち退き請求などをするのですが、
輝彦君が「ま、いっか」と思って、ほったらかしていました。

そのような状態で、20年の歳月が流れたとします。

そうすると、社会的にはその土地は健史君のものとして定着してしまい、
いまさら輝彦君のものだと主張するのは困難になる、ということになり、

なんとその土地は、合法的に健史君の物になってしまうのです。

ちなみに、健史君がその土地を他人の土地だと知らなかった場合は、
時効は10年で成立します。

このような時効を取得時効といいます。

他には……

健史君は輝彦君から100万円の借金をしていたとします。
健史君はいつになっても返済をしなかったのですが、
輝彦君は「ま、いっか」と思って、ほったらかしていました。

そのような状態で10年経つと、時効によって
借金はチャラになってしまいます。これを消滅時効といいます。

もしあなたが、遊んでいる不動産(不法占拠者つき)や、債権を持っていたのなら、
ほおっておくと社会的に抹殺されてしまうので、注意してください。




自習室

トップ