不法行為とは


不法行為という言葉を耳にした経験のある方は多いと思います。
なんとなくニュアンスはわかるけど、詳しくは知らない不法行為について
今日はやってみます。

不法行為とは、ある人の持つ権利や財産を、違法に侵害した際に、
その賠償を金銭的に補填する制度のことです。
人を殴って怪我させたときに、治療費や慰謝料を払う行為ですね。
不法行為による賠償は、金銭で行われます。
基本的に原状回復を求めることはできません。

侵害によって生じた損害は、財産的損害と、精神的損害に分けられます。

財産的損害とは、侵害によって生じた経済的不利益を包括して言います。
これはさらに積極的損害と消極的損害に分かれます。
積極的損害とは、現に発生した損害で、怪我の治療費などがこれに当たります。
消極的損害とは、その損害によって起こるであろう未来の損害です。
腕を折った場合に、欠勤したため給料が出ない、といった損害です。

精神的損害は、ご存知慰謝料です。
侵害によって精神的にうけたダメージを金に置き換えます。

このように、他人の権利を侵害すると、金銭的に追い込まれますので、
いけないことはしちゃ駄目ですね。

なお、例外的に違法性がなくなるケースがあります。
正当防衛と緊急避難です。
この言葉はかなりメジャーですね。

正当防衛は、他人に自己の権利を侵害されそうになったときに、
それを守るために行った自衛行為について認められ、
その際に他人に加えた損害は不法行為に当たりません。
痴漢をパンチで撃退するのはこれに当たります。

緊急避難は、自己の利益を守るために
他人の利益を犠牲にした際に認められます。
この間Numeriで取り上げられてました「カルネアデスの板」ですね。
これは難しい問題ですが、公共の福祉という観点からは必要といわざるを得ません。



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